蔓延する狂気と滅び:パンデミック クトゥルフの君臨

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近年、TRPGでも「クトゥルフの呼び声」が人気を博し、ボードゲーム方面でもクトゥルフものが豊作である。
協力型ボードゲームとして名を馳せた「パンデミック」も、クトゥルフ神話モチーフとしてリニューアルされた。

基本的なギミックは引き継いだが、大きな特徴である「アウトブレイク」ルールはなくなり、代わりに「覚醒の儀式」として旧支配者が目覚めてゆくことで状況が悪化する仕組みになっている。
箱サイズに比してコンポーネント密度はそう高くないものの、その分だけカードやトークン類は取り分けやすいトレイになっている。コマはすべて樹脂製フィギュア、ボードやカードも隅々まで趣向を凝らした雰囲気のあるイラストが施されており、満足度はかなり高い。

ゲームの舞台となるのはラヴクラフト著作に登場する、アメリカ合衆国東部ニューイングランド地方マサチューセッツ州の4つの町村。
ネクロノミコンほか数々の禁書を所蔵するミスカトニック大学を持つアーカム(『魔女の家の夢(The Dremas in the Which-House)』『戸口にあらわれたもの(The Thing on the Doorstep)』)、その東の漁港キングスポート(『魔宴(The Festival)』『霧の高みの不思議な家(The Strange High House in the Mist)』)、忌まわしき漁村インスマス(『インスマスの影(The Shadow of Innsmouth)』『戸口にあらわれたもの(The Thing on the Doorstep)』)、人の訪ずれも少ない寒村ダンウィッチ(『ダンウィッチの怪(The Dunwich Horror)』)である。ずいぶん狭い範囲で世界の命運が決するものだと思わぬでもないが。

ゲームの流れを説明しよう。
探索者は1ターンに定められた回数の行動が行なえる。「移動」「情報交換」「撃退」「封印」の4種で、自由な順番で組み合わせてよい。
移動の際は隣マスへの「徒歩」以外に、バス停マークのある場所でのみ「現在いる町の手がかりカードを1枚捨てて任意の場所に移動する」か「行きたい町の手がかりカードを1枚捨てて、その町の任意の場所に移動する」ことができる。更に、各町の「ゲート」のある場所からは他のゲートに一瞬で移動することも可能だ──ただし正気度を失うが。
なお、このゲートをすべて封印することがゲームの目的であり、封印されたゲートはもう移動には使えなくなる。後半ほど移動力が弱まるわけだ。
情報交換は、同じマスにいる相手とのみ行なえる。自分の持っているカードを相手に渡すか、相手の持っているカードを貰うことができる。
撃退は、同じマスにいる「邪教の信者」コマを取り除く。このコマはその地に集う邪教、つまり旧支配者の信奉者を表す。奴らは3人以上集うと邪神を呼び覚ますべく儀式を執り行なうので、そうなる前にすみやかに撃退せねばならない。
封印は、その町の手がかりカードを5枚集めた探索者だけが行なえる。ゲートは閉じられ、信者は姿を消し、町に平穏が訪れる。
各自の手番が終了したら「手がかり」カードを2枚引き、また「信者の召喚」カードを現在の召喚レート分だけ引いて各地に配置する。その結果、既に3人の信者が集っている場所が指定された場合、あるいは「邪悪の胎動」を引いた場合には、旧支配者が覚醒してしまう。町をショゴスが徘徊し、邪神の影響が探索者たちを苛む。
4箇所のゲートすべてを封印できれば人類の勝ち、そうでなければ世界が破滅する。

正気度は可能な限り温存したい。減少した正気度を増加させる方法は基本的になく、狂気からの回復は「自力でゲートを封印した」場合のみ。狂気に陥っても脱落はしないが行動は制限されるので展開が苦しくなる。
信者はなるべく撃退・分散しておかなければ、「覚醒の儀式」が行なわれ状況が悪化の一途を辿る。ハンターの撃退能力やオカルティストの信者コントロール能力が活躍するだろう。
信者の集う場所へすみやかに移動するためにバスは有効だが、手がかりカードを消費してしまうのが痛いところだ。移動力の高い運転手や記者が役立つかもしれない。
「遺物」は強力な効果を持つが、その発動には狂気のリスクを伴う。魔術師の手助けは有効だが、頼り過ぎは禁物である。
情報を集め、ゲートを封印する役割は探偵に任せたい。また記者は狂気に陥ると謎の第六感で情報収集に力を発揮する。
平素から行動力が高く、狂気に陥ってもなお人並の力を見せる医師は地味ながら頼もしい。

パンデミックと比較すると、アウトブレイクがなくなった分だけ連鎖的な危機状況を生じにくくなったものの、邪神覚醒による影響が強いぶんだけわかりやすく危機的だ。また手がかりカードが4種類になった分だけ長距離移動が使いやすくなったが、代わりに移動できる場所が制限されることでバランスを取っている。
処理的には「正気度」と「ショゴスの移動」が追加された分だけやや煩雑になった感があるものの、難易度では大差ない。
舞台が狭いこともあり、イメージ的にはかなり「アーカム・ホラー」を彷彿とさせるものがある。手がかりカードを町の名だけでなくフレーヴァーテキストでも入れてイヴェント風にしてみると、もうひとつ雰囲気が出て面白いかも知れない。

ポケモン謎解きラリーGO

JR東日本×SCRAPの「ポケモン謎解きラリー」に参加してきた。
www.jreast.co.jp
これまではスタンプラリーだったが今年は謎解きだ。

開催概要にもあるように、上野・秋葉原・浜松町・品川・渋谷・新宿・四谷の7駅を巡って謎を解くラリーになっている。中央/総武線の四谷駅以外は山手線一周コースだ。
すべての謎は改札の外にあるので、何度も乗り降りが必要になる。「おすすめ情報」にも案内のある通り、1日750円(子供370円)の都区内パスを買うといいだろう。駅の券売機で、特急券・指定席券の買える青い券売機で「おトクなきっぷ」を選択すれば買うことができる。もちろん朝7時以降なら緑の窓口で買ってもいい。
www.jreast.co.jp
参加にあたっては(駅間を移動する運賃以外の)費用は必要ないが、冊子に書き込むための筆記用具は準備しておくこと。またA4サイズの冊子を持って移動ことになるし、謎を解き明かすとA4クリアファイルを貰えるので、それらが入る鞄が欲しいところだ。

基本的には小学生向けイベントなので、謎の難易度は低い(それでもSCRAPらしく考えられた謎解きではあるが)。大人が謎解きだけを目的に参加すると、寄り道しなければ2時間ぐらいで終わってしまうだろうと思われる。休日のレジャーとしては些か物足りないので、どうせならポケモンGOを合間に挟んでみるのはどうだろうか。

なおこのラリー、7つの駅を巡るのはあくまでSTAGE1であり、これをクリアした人だけが貰える冊子を入手するとSTAGE2に挑戦できる……のだが、なにしろこちらは開催エリアが大宮・松戸・取手・新浦安・東京・八王子・石川町とかなり広いので、1日で回ろうとはしない方が無難である。ひとまずはSTAGE1をやってみて、その後どうするか考えるといい。

上野

上野駅は都内最大規模のポケモンスポットである上野公園および不忍池が存在するエリアだ。

公園改札から上野公園、あるいは中央改札・不忍改札から不忍池へ。広い園内全体に無数のスポットが散在するが、とりわけ不忍池ポケモンGOの名所として知られ、常時ルアーの花びらが舞い歩かずして多数のポケモン(主にコイキングコダックヤドンだが)が湧きまくる。一時はブーバやエレブーの巣だったが、最近はレア度の高いポケモンはあまり出ていないものの、それでも1進化ポケモン程度は結構湧いている。
特にコイキングは腐るほど乱獲できるので、ギャラドス狙いには絶好の場所だ。

秋葉原

秋葉原はスポットの集中域があるわけではなく、街全体に密度が高い。

別段なんのレアポケモンが湧くわけでもないのだが、なにしろオタクの街であるからそこかしこにルアーが挿さりまくってどこでも何かしら湧いている。主に電気街口北側方面がいいだろう。

浜松町

羽田からのモノレールが発着するこの駅は、実はかなりの観光名所集中地だ。

東の芝離宮は有料施設だが、西にしばらく行けば増上寺が見える。このあたりはニャースなどややレアなポケモンが湧きやすい傾向がある。また増上寺の向こうには東京タワーも。ただし駅からはそれなりに距離がある。

品川

品川駅周辺はポケストップの密度こそ低くないものの、どうにも目立った名所がない。

まあ駅周辺を一回りしたら次へ行こう。

渋谷

なにしろ人の多い街である。どこと言わず常時ポケモンがよく湧く。

主に北西方面が探索のメインエリアになるだろう。

新宿

新宿駅自体が人の多い場所だが、ポケモンGO的な名所といえばやはり新宿御苑だろう。

ここはピカチュウの湧く場所として知られる。

四谷

ここも駅周辺に大したものがない……というか、むしろ新宿に近すぎて特筆すべきことがない。

いっそ(時間と体力とバッテリーに余裕があるなら)新宿駅から御苑を抜けて四谷まで歩いてみるのもいいかも知れない。5kmぐらいあるのでたまごの孵化にも丁度良いだろう。

街コロマッチを攻略する

始まったばかりのソーシャルゲーム「街コロマッチ」で遊んでいる。

ボードゲーム版とは似ているようで色々違う。

大きな差は、「デッキを構築する」ことだ。1〜12の目それぞれに最大5枚のカードを割り当て、ゲーム中これらをランダムに引いて配置してゆく。

また施設は自分の手元に並べるのではなく12×5のボード上に配置する形になっている。元の街コロでは施設ごとに枚数が限定されていたが、街コロマッチでは配置可能マスが限定されるわけだ。

ボード上で自分の施設同士を隣接させてゆくとコンボが成立し、収益が向上する。また置きたいマスに既に他人の施設がある場合、「配置コストの2倍を相手に払って」上書きすることも可能だ。

勝利条件が「ランドマークの建設」であることに変わりは無いが、全般に施設の収益に対しランドマークの建造コストは低めで、出目によっては3ターン程度で決着してしまうこともある。このあたり些か運ゲー感は否めない。

元々、街コロは収益が完全に出目次第なので、カードの購入によってどう最適化してゆくかを競うゲームなのだが、街コロマッチの方は利用可能カードもランダムに引く形となったので本家よりも運の要素が強く出る。無論それを技術側に寄せる要素として「デッキ構築」があるものの、それに使えるカードはランダムガチャの引き次第であるわけだから、三重に運ゲーではある。

恐らく、そのあたりの運ゲー感を少しでも緩和しようという意図なのだろうと思われるが、簡単な目押しによる出目の指定が可能になっている。ただし指定目が出るかどうかは結局のところ運次第だ。

 

さて、そんなゲームを多少なりとも「攻略」してみようと思う。

まず始めにちょっとしたアドヴァイス。画面左上のアヴァターアイコンからプロフィールの編集が可能だが、ここで「お助けカード」を差し替えておくこと。現状ほとんどの人がデフォルトの麦畑固定になっており使えないことこの上無い。

また街の景色も編集可能だが、これは(僅かではあるが)定期的なコイン収入を兼ねているので、気合を入れて「自分だけの街」を作り上げておこう。

ストーリーを進めてゆくだけで有料アイテム「ダイヤ」も結構手に入るので課金ガチャ可能だが、その他に無料アイテム「コイン」でのガチャもあるのでカードはわりとガンガン引ける。しかしカード保持枠が少ない上にゲームには使用できない「進化」素材も枚数制限のうちなので、枠はそれなりに拡張せざるを得ないし、また可能な限り強化・進化で枚数を減らすようにする必要も出てくる。

とはいえ初めのうちは進素材自体の入手が難しいのでなかなか思うように進化できずに困る。ひとまず、同種多数入手できる進化素材自体も進化が可能なので、それで枚数を調節してゆこう。

……ところで一部カードの進化系統がなんかおかしいというか、メイド喫茶や美術館が進化によって立体駐車場になるの謎すぎるんですが……それは進化というか経営不振なのでは……

進化だけでなく、カードのレベルアップにより収益が強化されるので、主力になるカードを中心に積極的に強化しておくこと。微々たるものではあるが、コンボさせるとそれなりの差が出てくる。

 

街コロマッチでは最大4デッキを保存し、切り替えてバトル可能である。またゲームの仕様上、ダイス目が1D6限定、2D6限定、1D6・2D6選択可能の3タイプのバトルが発生するが、当然ながら1d場では7以上のカードが、2d場では1のカードが無意味になるので、それらを考慮して3タイプのデッキを用意しておくことが望ましい。

1d場用のデッキは1〜6の目それぞれの確率が一様であるから、カードは最大枚数で積んで良い。しかし2d場では中央値の7が最も出やすく端の2や12はほとんど出ないから、それに応じて枚数も調整すべきだろう。具体的には2・12は1枚あれば良く、3・11が2枚、4・10が3枚、5・9が4枚、6〜8が5枚というような勾配を持たせることで狙い易い目を確実に押さえることができるはずだ。

街コロにも街コロマッチにも言えることだが、勝利条件はランドマークの建設であり、そのための資金を素早く確保することがゲームの目的だから、基本的には横方向に手を広げるよりも縦方向に集中させて「1手番で大きく稼ぐ」方が重要性が高い。また「他人が資金を貯めたら敗北」なので妨害のために資金強奪の可能性を作っておくことも必要になるが、目が(ある程度)コントロール可能である以上は相手に踏ませる赤系施設よりも自分が踏んで奪える紫系の方が強い。

逆にいつでも収入になる青系は1回の収益が低めなので、資金源たることを期待するというよりは相手の目にかぶせて「振り切られない」方向の使い方になる。

 

色々とやっても結局は運ゲーである。勝てなかった相手でも3回ぐらいやれば運良く勝てたりするので、ストーリーは(Normalモードなら)それなりに進むだろう。ただしボス戦はちょっとインチキ臭いというか、「ボスはランドマークひとつでも建てれば勝ち」「自分は2つとも建てないと勝てない」ルールである上に、相手の施設はレア度の高い高収益施設なので、妨害特化で「勝たせない」構えが必要になる。また2つあるランドマークの建設順を間違えると、相手の収益を強化してしまいあっさり負けるので注意(ランドマークは建てた当人だけでなく相手もその効果を利用できるのである)。

薄くて軽い大容量モバイルバッテリーを探す

先日の日光観光+ポケモンGOで、iPad Pro(9.7')のバッテリーが満充電でも12時間は保たなかったので、夏休みを前に遠出用のモバイルバッテリーを買っておくことにした。
選定にあたり重視した条件は、

  1. すぐに入手できるもの
  2. iPadの充電用なので出力2アンペア必須
  3. 携行を前提としているのでなるべく軽くて小さいもの
  4. 容量はなるべく多い方が望ましいが、重量・サイズとの兼ね合いで妥協する
  5. できればコンセントプラグ内蔵で直に充電できると望ましい

といったところ。
1、2は必須条件。3と4は互いに関係する条件なのでバランスを見る。
5は、主に「普段あまり機器のバッテリを管理しない」人向けの機能である。妻がコンビニで調達してきたiPhone向けの1Aタイプがこの形式で、普段からiPhoneの充電器代わりにコンセントに挿しっ放しにしておくことで満充電を保ちつつ、これ自体がそのままスマートフォンの充電アダプタを兼ねるので、外出時にもこれ一つあればよく、iPhone用の充電アダプタもバッテリ用の充電アダプタも持ち歩かなくて良いという利点がある。

しかしどうやら、コンセント直挿し型は大容量バッテリにはほとんどない機能のようだ。どうしてもサイズが大きくなりがちなので壁に直接挿すのが難しくなるからだろうか。
よって5は諦めて、1と2を満たす範囲で3と4のバランスを見ながら商品を選定した結果、選択したのがこちら。

白と黒の2色があったが、(Amazonプライムを利用すれば)翌日に届くのは白の方だった。
決め手となったのは、重量が200g未満、かつ厚みが13mmしかなく(概ねiPhone6ぐらいのサイズ感である)、にも関わらず8000mAhもの容量を保っている点だ。しかも2000円台とやたら安い。

とりあえずバッテリとしての性能をざっとチェックしてみる。残量26%になったiPadに満充電状態のバッテリを繋ぎ放置し充電回復具合を確認したところ、92%まで回復させることができた。およそ2/3程度を満たせた計算である。前回の旅行ではおよそ8〜9時間で息切れしたので、これがあれば14時間前後は保たせられそうだ。
iPad Pro(9.7')のバッテリ容量は7306mAhだそうで、そうするとこのバッテリで充電できた量はおよそ4870mAh程度。公称8000mAhではあるが、どうしてもバッテリからの出力には少なからぬロスが生じるもので、実際に使用できるのは6〜7割と言われるから、ほぼ60%ぴったりが出ているなら充分に公称値通りだ。
バッテリからの充電中、出力端子のある付近がやや熱くなるが、手で持てないほどの温度ではない。

バッテリ本体のサイズは長辺146mm×幅78mm×厚さ13mm、重量183g。これは、ほぼiPhone 6 plusに匹敵する。バッテリの容量で言えば2750mAhのiPhone 6s plusを1.7回分ほど充電できる計算だ。2台持ちの荷重で3台分の働き。旅のお共に、お一つ如何だろうか。

日帰り観光記:日光東照宮

日光に行ってきた。

関東在住ならば小学校の修学旅行とかで一度は訪れるであろう場所だが、反面「なかなか二度目がない」場所でもある。

しかし世界遺産である「日光東照宮(を含む寺社群)」をはじめ、ちょっと足を伸ばせば風光明媚な湖あり大滝あり温泉ありと、実はかなり見所の多い場所で、しかも都内から片道3時間かからない日帰り観光地でもある。

まあ流石に日帰りでは範囲を絞らざるを得ないが、逆に言えば何度も楽しめるということだ。

 

レンズ

以前、広島-宮島観光の際に「風景を撮るなら広角があればいいだろう」と高を括っていたところ、意外に「寄れないところを寄って撮りたい」というシーンが多く望遠の必要性を痛感したので、今回はレンズも新調した。

当初Tokinaの反射式300mm macroを考えていたのだが、固定焦点は撮影位置を選ぶのと、店頭在庫がなかったので45-175mmズームに手を出してみた。

 LUMIXの45-175mm電動ズーム、35mm換算にして90-350mmと望遠域を幅広くカヴァーするレンズである。これで全長わずか90mm、重量210gと軽量コンパクト、しかも安い。

これにマクロを兼ねた普段使いの12-50mm、広角が足りない時を想定して7.5mm魚眼を携行する。カメラ本体もレンズも小さいので小ぶりなカメラバッグひとつで充分収まる。 

ZKIN Z3737 RAW Hydra サンドコッパー

ZKIN Z3737 RAW Hydra サンドコッパー

 

なお、今回の写真はiPadで撮影したもの以外は基本的にまったくの無加工で掲載している。 

日光へ

都内から鉄道で日光へ行くルートは、大きく分けてJR宇都宮線日光線ルートと東武伊勢崎……えーとスカイツリーラインルートがある。乗換駅へのアクセス次第だが、基本的には時間も料金も東武線の方が優位。

ただしJRは日光駅の駅舎がとても良い。まあ東武日光から歩いてもいいのだが。

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JR日光駅舎。大正元年落成の瀟洒な木造二階建てで、二階の一等客車待合室は現在ではギャラリースペースに。

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 駅で周遊バスのチケットを買い、駅前の停留所から乗ると10分ほどで二荒山神社前に到着する。

 

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同じ場所を3種のレンズで撮ったもの。使い分けるとかなり異なった画が作れる。

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至るところ大杉だらけ。そこらの神社なら確実にご神木であろうレベルの巨木が山を覆う。

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大きくなりすぎて倒壊の危険があるのか、それとも修復の際に木材として利用されるのか、切り倒された巨大な切り株も散見される。

 

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二荒山神社の御神籤は種類豊富だが、縁結び御籤は千代紙を使っており結んでも可愛い。

 

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 二荒山神社から南東に向かって東照宮方面へ。

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五重塔なんかを撮りつつ参拝料払って中へ。極彩色の装飾については今更私が語るべき事は何もないので代わりに動物の写真をお送りします。なお三猿と眠り猫は補修中につきレプリカなのでスルー。

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狛犬。やけに可愛い。

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大燈籠。和製スチームパンクはこういう意匠でいきたいものだ。

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外壁も極彩色の施されたレリーフが、それぞれ異なった意匠で彫り込まれているのだが、

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 内側は白ベースに金と無垢の木というコントラストのはっきりした造りで、これがまた格好良い。

 

ところで陽明門は現在改修中で、足場に覆われ外観が見えず残念……と思ったら、外壁が外されその下に描かれていた狩野派の板絵が公開されており、むしろ貴重な機会だったという。

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本殿・薬師殿は撮影禁止だったので入口だけ。磨かれた漆塗りの板間が鏡のような反射を見せる。

 

この後、道伝いに下って神橋へ。

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 大袈裟な名だとは思ったが流石は名所、絵になる光景である。

 

気温

朝とはいえ、駅を降りたら肌寒かった。そういえば日光は避暑地なので、だいたい都内より5度ぐらいは気温が低いのだった。夏でも薄手の上着ぐらいはあった方が良さそうだ。

 

食事

東照宮はかなり見応えあるので、朝からこれひとつ巡るだけでも大体お昼時になる、のだがこのあたりはなにしろ寺社エリアであるから店がない。土産物屋を兼ねて観光地価格で蕎麦とか出す店がひとつある程度だ。

おすすめは東照宮を出て少し下った左手にある宝物博物館 、真新しい建物の1階に入っているUCC上島珈琲店のカフェ。値段相応に食べられる。

日光東照宮ホームページ|日光東照宮宝物館

あるいは下ってゆくつもりがあれば、神橋のたもとにある明治時代の物産展にあるカフェレストランは美味しそうだった。

日光物産商会|日光国立公園 神橋のすぐそば

ここは建物としてもなかなか見所。土産物屋としてはいかにも観光地のそれではあるが。

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生物

山の方なので格段に生物相が豊かである。とはいってもそんなに色々観察したわけではないし、昆虫などはすぐ逃げてしまうのでなかなか撮れないのだが。

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最後のは50mmで撮った橋下のトンボと、同じものを175mmで撮ったもの。近付かずに大きく撮れるのは嬉しい。

 

ポケモン

ところで今回の観光では、直前にサービスインしたポケモンGOを遊びながら移動していた。道中が単なる待ち時間ではなく楽しみの時間になるし、地域ごとのポケストップ分布や出現するポケモンの変化なども面白い。

また観光地は人が多いからか他ではあまり見掛けないポケモンが出現するようだ。観光旅行ではわりと子供の興味と親の興味が(年齢的な問題で)噛み合わなかったりすることは少なくないが、大人が好む場所に子供が楽しめるスポットが重なるというのは従来なかった観光の形として、もしかしたら次世代の町おこしの方向性として、アリかも知れない。

ただ、なにしろGPSを常時起動するシステムであるからバッテリの減りは著しい。今回は容量に余裕のあるiPadと、iPhone5Sにモバイルバッテリ携行で望んだが、それでも駅へ戻る前の段階でバッテリ容量が20%を切る有様だった。

シルエットだけ見掛けたロコンを捕獲できなかったのが心残り。

初めてカルドセプトを遊ぶ人のためのスタートガイド

ここまでカルドセプト新作「リボルト」の初心者向けに基本的な定石などを紹介してきたけど、どうやら初セプターの中にはもっと手前の段階でつまづいている方が少なからず見受けられるようだ。そういえばヴェテランになると見落しがちだけど、カルドセプトはなかなかにルールがややこしく、チュートリアルで色々言われても憶えきれないぐらいの情報が詰まっているのだった。
まずはごくごく基本的な情報の解説記事が必要だな、というわけでざっと説明してゆこう。

https://topics.nintendo.co.jp/export/sites/nintendo_topics/images/article_img/00000306_05.jpg

これはカルドセプトのプレイ中に表示される、下画面の情報。
大きく分けると、一番上の帯に表示される「終了/勝利条件」、左半分に表示される「現在の魔力と順位」、右半分に表示される「手札」に分かれている。
個別に詳しく説明する。

下画面の見方

終了条件:ラウンド数と勝利条件:目標魔力

一番上の帯は勝利条件、つまり「このゲームに勝つために満たすべきこと」が表示されている。
左側の、この画像では「1/40R」となっている部分は、「現在のラウンド数/最大ラウンド数」。このゲームの場合は40ラウンドで終了し、今が第1ラウンドであることを示している。
ラウンドというのは「プレイヤー全員が順番に行動を終えるまで」の区切りだ。つまり40R制限なら、ゲームが終わるまでに最大40回行動できるということになる。全員が行動すると次のラウンドへと進み、40/40Rになったラウンドが最後まで終わると、そこでゲームが終了する。
右の「目標魔力」は、ゲームに勝利するために目指すべきことが書かれている。この画像の例なら8000G、これ以上の総魔力を貯めて砦に到達すれば、その時点で勝利だ。

総魔力については、次の項で説明しよう。

魔力と順位

(最大)4枚のパネルは参加プレイヤーそれぞれの色を示している。その右端に大きく表示された数字は現在の順位だ。
その左にある四角い枠と英字は「砦通過フラッグ」。字はマップ上の砦に対応し、黒い字はまだ通過していない砦を、白い字は通過した砦を示す。砦を通過すると定額の魔力ボーナスが得られ、すべての砦を通過すると「周回ボーナス」としてまとまった量の魔力が手に入る(周回ボーナスを得ると砦通過フラッグはリセットされる)。
名前の下に2行に並んだ数字は、「現在魔力」と「総魔力」を示している。
魔力、というのはつまりお金だ(けれど単位Gはゴールドじゃなくて「ゲイン」)。現在魔力は手元にある「現金」、総魔力は購入した土地の価値などすぐには現金化できない財産を含めた「総資産」。この総魔力の方を、目標以上に貯める(そしていち早く砦へ戻る)のが、セプターが目指すべき勝利条件となる。

どうやって総魔力を増やすか、は後で説明する。

手札リスト

右側にあるのは現在の手札だ。自分の番には上画面で手札の中身を確認できるが、他プレイヤーの番でもカード名と種類だけは確認できる。属性アイコンの付いたカードはクリーチャー、稲妻か吹き出しのマークはスペル、その他の剣や鎧などのアイコンはアイテムカードだ。
また、左のプレイヤーパネルにタッチすれば他人の手札リストも確認できる。いずれにせよ名前しか見えないから、そのカードの性能は憶えておくしかないけど、敵の行動が予想できるようになるのでとても重要な情報だ。

カードの見方

個別のカードについても、情報を整理しておこう。まあアイテムカードとスペルカードは特殊な制限などもないので、クリーチャーだけの説明に止める。

クリーチャーカード

https://pbs.twimg.com/media/CldjjHIUkAA20Wq.jpg
なるべく多くの情報が載っているカードを探したら、ずいぶんアレなクリーチャーになってしまった。
一番上はカード名。右側に「R」とあるのはカードのレアリティ、つまり入手しやすさを示す。もっとも入手しやすいのが「N」ノーマル、やや手に入りにくいのが「S」ストレンジ、かなり珍しいのが「R」レア、この他に特定条件を満たしたときだけ出現する特殊カード「E」エクストラ、がある。
その下はカードの種類。これは火属性クリーチャー。
「G 20(火)」とあるのはこのカードを使うためのコスト。数字の方は消費する魔力で、属性アイコンは領地コストといって「この属性の土地をこの数だけ占領していないと使うことができない」という意味だ。つまりこのリーチの場合、あらかじめ火属性の土地ひとつ以上を占領した状態であれば魔力20を消費して召喚ができる、ということになる。この他に、カードを示すアイコンがある場合は「手札コスト」、そのカードを使うために手札を捨てなければならないことを示す。
STとHPは攻撃力・防御力。戦闘の時にはこのSTに応じて相手にダメージを与え、HPが0になると破壊される。
STの下にある×付きの属性アイコンは「召喚制限」、この属性の土地には召喚することができない。HPの下のアイコンは「アイテム制限」、戦闘の時にこの種類のアイテムを使うことができない。

STとHPはクリーチャーのもっとも基本的な性能を示すデータだ。HPが高ければ敵の攻撃で破壊されにくく、土地を守るのに向いている。STが高ければ戦闘で敵を破壊しやすく、敵の土地を奪うのに向いている。
魔力コストが高いカードは現在魔力に余裕がないと使えないし、土地を占領しても総魔力が増えにくい。領地コストがあるものは序盤で使えないので枚数を入れすぎないよう注意が必要だ。召喚制限があるカードはいざ戦闘になった時に使えず、アイテム制限があると戦闘の時に困るかもしれない。

総魔力の増やしかた

では、カルドセプトの勝利目標である「総魔力」を増やすにはどうすればいいのか。

基本的には「土地を占領する」「土地のレベルを上げる」の2つが重要になる。

土地のレベルアップ

土地にクリーチャーを召喚すると、その土地は自分の所有物になり、自分の色の枠と「通行料」を示す数値が付き、またその価値が自分の総魔力に加算される。
土地の基本価値は1つあたり100だから、土地を占領するために使用したクリーチャーの召喚コストとの差だけ総魔力が増えることになる。

占領した土地には(クリーチャーの「ダウン状態」が解除されれば)「領地コマンド」を使ってレベルを上げることができる。これは、いくらかの魔力を消費して、消費分以上に土地の価値を引き上げるという仕組みだ。こうして手持ちの魔力を土地に投資してゆくことで、総魔力を引き上げることができる。

自分の土地を誰かが踏むと、通行料をもらえる。通行料は土地の価値とレベルによって決定され、レベルを引き上げるほど高い通行料を奪うことができるようになる。

通行料を支払いたくない場合は、戦って土地を奪うことになる。手札からクリーチャーを召喚し、攻撃して土地を占領しているクリーチャーを倒すことができれば、その土地は自分のものになる。
ただし防衛側のクリーチャーは、(クリーチャーの属性と土地の属性が合っていれば)「地形効果」を得られる。土地のレベル×10がHPに足されるので、レベルの高い土地ほど防御力が大きく上がり、奪われにくい。

レベルアップのやりかた

自分の手番で、ダイスを振って移動した後に、クリーチャーを召喚するか「領地コマンド」を使用するかを選ぶことができる。領地コマンドは、自分の領地にいるクリーチャーに命じて何らかの行動をさせるものだ。隣の土地へ移動させるか、手持ちのクリーチャーと入れ替えるか、土地の属性を変更するか、土地のレベルを上げることができる。
レベルを上げるには一定の魔力を支払う必要がある。1Lv→2Lvは80G、2Lv→3Lvは160G、3Lv→4Lvは320G、4Lv→5Lvは640G必要だ。魔力が足りるなら一度に2レベル以上引き上げてもいい。

土地のレベルアップ まとめ
  • レベルアップによる利点
    • 「総魔力の増加」
    • 「通行料の増加」
    • 「防御力の増加」(ただし土地とクリーチャーの属性が一致している場合に限り)

土地の連鎖

上では「土地のレベルを上げて総魔力を増やす」と書いたけど、実際には単独の土地だけだとレベルを上げても総魔力はあまり増えない。たとえば価値100の土地に80を支払って価値200にしても、総魔力としては+20にしかならない。
そこで重要になるのが「連鎖」だ。
連鎖とは「同じ属性の土地を2つ以上占領する」こと。こうすると、連鎖した土地同士の価値が上がる。
連鎖しない土地は、1Lvだと価値100だ。これが2連鎖だと150になる。2つとも150なので合計300。3連鎖なら180(合計540)、4連鎖では200(合計800)、5連鎖だと220(合計1100)になる。6連鎖以上では価値は上がらないけど、新たに取った土地が100→220になるわけだから価値は大きいし、ひとつ奪われてしまっても他の価値が下がらない。
連鎖なしの場合に比べて5連鎖だと2倍を越える価値を持つから、レベルを上げた時の価値もそれに応じて高くなる。でもレベルを上げるために必要な魔力は同じだから、投資に対してより大きな総魔力増加につながるわけだ。たとえば単独5Lvは価値100→1600(+1500G)に対してコスト1200Gがかかるので差し引き+300Gだが、5連鎖だと同じコスト1200Gで220→3520(+3300G)だから差し引き+2100Gになる。

連鎖のためには「止まる土地の属性をなるべく合わせる」「領地コマンドでクリーチャーを移動させる」「領地コマンドで土地の属性を変更する」方法がある。土地の属性変更は、1Lvの土地なら300G(ただし無属性および複属性の土地は100G)、以降レベルが上がるごとに必要魔力が100Gづつ増えてゆく。できればレベルを上げる前に属性を変更しておきたい。

カルドセプト リボルト:序盤戦を乗り切るために

カルドセプトは接待してくれない。
序盤の敵はブックこそ強いカードの入っていない弱敵仕様だが、ダイス目操作もカードドロー操作もないガチ戦だ。まあAIの判断はときどきおかしくて、明らかに勝てない敵に突っ込んでみたりすることがあるのは馬鹿ルーチン入れてるのかランダム処理の結果なのかよくわからないが、少なくとも「わざと手を抜く」ようなことはしない。
一方、プレイヤーのブックも初期は大したカードがないので、戦闘力では似たり寄ったりだ。となると運と判断力が勝敗を分けることになるわけで。

判断力の鍛え方

前作から継承した「アドヴァイスカーソル」機能は、(必ずしも最良とは言えないものの)順当な手を案内してくれる。これに従えばカルドセプト経験のない初心者でも、少なくとも敵AIと同等程度の判断力が保証されるわけだ。
ただ、この機能は「オススメの選択肢」を教えてくれるだけであって、「なぜそれがオススメなのか」は教えてくれないから、これに従っていても「なんとなく勝てる」だけで「勝ち方がわかる」ようにはならないという問題点もある。
結局、判断力は知識と経験で培うしかなく、育つ前にやめてしまう人も多そうだ……というわけで、判断力を育てるべくセオリーをざっくり紹介する。

戦闘より通行料より移動力より資産運用

カルドセプトはカードを集めて自分だけのブックを構築して戦う、いわゆるTCGの系譜だから、つい戦闘力を重視してしまう。
でもカルドセプトの勝利条件は「相手のライフを0にする」とかではなくて「総魔力を目標以上にして砦に戻る」だ。そこを忘れると「戦いには勝ってるはずなのにゲームに負ける」ようなことにもなりかねない。

また、高レベルの領地を踏むと魔力をがっぽり奪われる。これは確かに脅威だし、奪った分を一気に投資して拠点を増やされると厄介この上ない。
けれど拠点を作ってもダイス目で越えられては無意味だし、踏ませても奪われてしまっては無意味どころかマイナスだ。土地のレベル上げは「通行料を奪う」ことが主目的ではなく(それはそれで敵の行動を制限するので悪くはないんだけど)、「総魔力を増やす」ための行為だということを意識しよう。

あるいはダイス目が良ければ敵の領地もどんどん越えられるし周回ボーナスももらえる。スゴロクのようにも見えるから、つい大きな目を期待してしまう。
しかしカルドセプトはレースゲームではないから、速く動くだけでは何にもならない。周回ボーナスによる総魔力の増加なんて目標額からすれば微々たるもので、それだけではあまりに心許ない。

結局のところ、勝つためには総魔力を増やさねばならない。そのためには「領地を増やす」「領地の属性を揃える」「領地に投資してレベルを上げる」必要がある。

詳しい計算の話などをするとややこしく感じられるかと思うのでその辺は別項で説明するが、とりあえず属性を揃えて連鎖を増やす(そのためにはブックの属性を絞り、属性の合う土地を集中的に占領する)こと、その上で連鎖の多い土地をレベルアップすることが重要になる。
たとえば連鎖のない土地を5Lvに上げても総魔力は300しか増えない(投資1200G:価値100→1600G)が、2連鎖にするだけでも総魔力の増加量は+1050にもなり、4連鎖なら+1800……と劇的に増加する。

というわけで、まずは「資産を増やす」ことを意識して進めてみよう。それだけで勝ちやすさが変わるはずだ。

カードの効果を憶える

どんなTCGでも同じだが、相手がどんな手を使ってくるのかわからないようでは勝てない。まずはカードをある程度憶える必要がある。
カルドセプトTCGとしてはかなり特殊で、他人の手番に手札が見えるので何を持っているか調べようがあるのだが、リボルトでは下画面をタッチすればいつでも手札が確認できるようになった。これにより不意打ちはほとんどなくなったが、しかしカード名から効果が把握できなければ意味がない。
とりあえず序盤戦では武器/防具の増加量を把握しておくといいだろう。

  • 武器
    • ST+20
      • メイス
      • マグマハンマー(強打)
      • ストームスピア(強打)
      • ドリルランス(貫通)
    • ST+30
      • ロングソード
      • イーグルレイピア(先制)
      • ムーンシミター
    • ST+40
      • バトルアックス
  • 防具
    • HP+30
      • チェインメイル
    • HP+40
      • スケールアーマー
    • HP+50
      • プレートメイル
    • その他
      • スパイクシールド(ダメージ半減・反射)
  • 巻物
    • ティアリングハロー(貫通、ST実質45)
    • スパークボール(貫通、ST40)

全アイテムではなく序盤で遭遇するもののみ抜粋した。数値だけでなく、強打や先制など計算を狂わせる可能性のある能力には注意。
戦闘に入る前に結果が計算できるようになると、たとえば「敢えて高額領地を踏んで奪う」とか、攻撃を受けて「これは防具付けても無駄だから手札を温存する」といった判断が効くようになる。

ブックの鍛え方

1戦終えると、上画面に総魔力の変動グラフが、下画面に色々なデータが出る。これを見ると、上手くいった部分と駄目だった部分が見えてくる。
たとえば侵略の成功率が低い場合、ブックに攻撃力が足りていない可能性が高い。防御の成功率が低いなら防御力不足。カードを集めて不足を補いたい。
また、序盤の魔力増加率が低いようならうまくクリーチャーを召喚できていないか、召喚コストが高く資産増加に結び付いていない可能性がある。たとえば召喚に制限のあるカードが多いとか、クリーチャーの枚数が少ないブックだと、序盤に召喚できないままダイス振って移動するだけ、ということになりかねない。まあ「出目がぴったり特殊地形か敵領地にしか止まらないので召喚できない」みたいな不運はどうしようもないが、そちらはホーリーワードなど移動系スペルで補おう。

とりあえず、まったく役に立たないスタチューの入れ替えから始めるといいだろう。
ブック火地で始めた人はキングバランを入れるといい。ST60の高火力クリーチャーで、マグマハンマーを持たせればST120の強烈な攻撃が可能になる。HPも50と高いので、奪取拠点の防衛にも十分な性能を発揮する。ただしコストは少々高め。地属性を増やすなら同じく高STで先制無効も付いたグレートタスカーもいいだろう。
ブック水風の人は先制持ちで水・風どちらにも置けるサーペントフライやアイテムを遠慮なく使えるケンタウロストリトンあたりがいいかも知れない。
またアイテムではレア度Nのクリーチャーに持たせると強いプラックソード、落とせない拠点を踏んだ時に通行料を0にするムーンシミターなどがおすすめ。
いずれもレア度Nから選んだので入手はしやすいはずだ。

アイテムはあまり枚数を増やさないこと。戦闘の時にしか使わないカードなので、枚数が多いと手元でダブついて無駄に捨てるはめになる。相手から攻撃を受ける可能性を考えれば防具は切らしたくないが、武器はそれほど必要な場面は多くないので、必殺の武器をほんの2〜3枚でいい。
クリーチャーはブックの半数よりちょっと多いぐらいがいいだろう。

連鎖と資産と通行料の関係

上ではさらっと流したけど、連鎖するとどんな良いことがあるのか、具体的な数値で示しておこう。

土地の価値

土地を連鎖=同じ属性を2つ以上占領すると、それだけで土地の価値が上がる。
土地魔力表

土地Lv 単領 差分 2連鎖 差分 3連鎖 差分 4連鎖 差分 5連鎖 差分
1 100 +50 150 +30 180 +20 200 +20 220 -
コスト(差分) +100 -80(20) +150 -80(70) +180 -80(100) +200 -80(120) +220 -80(140)
2 200 +100 300 +60 360 +40 400 +40 440 -
コスト(差分) +200 -160(40) +300 -160(140) +360 -160(200) +400 -160(240) +440 -160(280)
3 400 +200 600 +120 720 +80 800 +80 880 -
コスト(差分) +400 -320(80) +600 -320(280) +720 -320(400) +800 -320(480) +880 -320(560)
4 800 +400 1,200 +240 1,440 +160 1,600 +160 1,760 -
コスト(差分) +800 -640(160) +1200 -640(560) +1440 -640(800) +1600 -640(960) +1760 -640(1120)
5 1,600 +800 2,400 +480 2,880 +320 3,200 +320 3,520 -

ちょっとわかりにくいかも知れないが、縦が「同じ連鎖数で土地レベルが上がった時の価格変化(およびレベル上げに費した魔力との差分)」、横が「同じ土地レベルで連鎖数が上がった時の価格(および魔力の増加量)」。
土地レベルが同じでも、連鎖すると土地価格は上がる。2連鎖だと1.5倍、4連鎖なら2倍。連鎖した複数の土地が一度に上がるから、総魔力は結構大きく上がる。たとえば単領の1Lv×5なら資産価値は100×5=500だが、5連鎖だと220×5=1100となって+600。
一方、レベルを上げることでも資産価値は上がる。土地レベルアップに必要なコストは土地の基本価格の80%だから、投資価格から見れば25%だけ資産が増える計算になる。5Lvにまで引き上げるには80+160+320+640=1200Gもかかるので、そうまでしても単領だと資産増加たった300(100→1600G)と全然見合わない感じがするが、2連鎖にするだけで150→2400Gと差し引き1050の増加、3連鎖なら180→3200Gで1820Gもの増加。これぐらいになると投資魔力を完全に上回る増加が見込めるのですごく割が良い。
もちろん連鎖を増やすためにも実際には召喚コストがかかるのだから、連鎖による総魔力増加はこの表より若干少なくなるはずだけれど、明らかにそれを上回る価値があるので連鎖は積極的に作ろう。

土地の通行料

上のは土地そのものの価値の話だが、次に説明するのは土地の価値を上げることによる通行料の変化だ。

土地Lv 単領/通行料 2連鎖/通行料 3連鎖/通行料 4連鎖/通行料 5連鎖/通行料 割合
1 100/20 150/30 180/36 200/40 220/44 ×0.2
2 200/60 300/90 360/108 400/120 440/132 ×0.3
3 400/160 600/240 720/288 800/320 880/352 ×0.4
4 800/480 1200/720 1440/864 1600/960 1760/1056 ×0.6
5 1600/1280 2400/1920 2880/2304 3200/2560 3520/2816 ×0.8

通行料はレベルによって地価に対する割合が変化する。地価そのものが上がるので連鎖すればその分だけ通行料も上がるが、5連鎖するよりレベルをひとつ上げた方が通行料の上昇割合は高い。防御力も上がるから、足止めクリーチャーなど通行料で戦うブックコンセプトなら連鎖が低いうちから積極的なレベル上げも悪くない戦術だろう。

一応、入門的記事として「カードバトルで勝とうとするな」「スピードアップで勝とうとするな」「通行料で勝とうとするな」ということを書いたが、それはあくまで「基本戦術ではない」というだけの話で、必ずしも常にそれが悪いやり方だというわけでもない。ブックの構成次第では基本から外れた戦術だって充分にアリだ。ただそれは、基本を知った上でやるべきことではあるが。